Podcast 第6回 てんてこ舞いってどんな踊りよ?
<Podcast>
こんばんは。えりこです。
この Podcast では日本語教師の私が、
「日本語って面白い!」
「日本語って大変!」
「日本語って謎!」と思う
エピソードをお届けします。
日本語学習者の方そして日本語ネイティブの方に
なるほどと思って頂けると嬉しいです。
さて、前回私の趣味についてちょっとお話ししたんですが、
私は運動は苦手なんですけどダンス、
特にラテンダンスが好きなんです。
実は5年ほど前にサルサを始めたきっかけには、
ちょっと長い話があるんです。
もともとキューバの生活や音楽に興味があったんです。
そして、キューバに行こうと思ったんですけど、
まずどうやったら現地の人と
コミュニケーションをとれるかと考えたんです。
キューバと言えばスペイン語、ラム酒、葉巻、音楽ですよね。
前回も言ったんですけど、
私は語学を習得するのにとっても時間がかかるんです。
だからスペイン語を旅行までに
話せるようになるのは難しいと考えました。
これも前回言ったんですけど、
私まったくお酒が飲めない下戸なんですよ。
だからお酒を楽しむ旅も期待できず、
葉巻にもとくに興味もなく…。
で、最後に残ったのが音楽。
楽器を演奏できるまでには時間がかかるな、と思って、
最後の手段として踊ろう!と思ったんです。
以前、『サルサ!』というタイトルの映画を見て、
楽しそうだなという記憶があったので、
さっそく近くのダンススタジオを探しました。
当時はタイのバンコクに住んでいたので、
たくさんのクラスがあって、
頻繁にレッスンを受けたりパーティーに出たりしてました。
キューバ旅行で現地の人と
コミュニケーションをとるために!というのが
サルサを始めたきっかけなんですけど、
旅行の後も趣味として楽しんでます。
日本に帰ってきてからは、
ちょっとサボり気味なんですけど、
また以前のように楽しく踊りたいですね。
さて、そんなラテンダンスが好きな私なんですけど、
最近、とっても忙しくててんてこ舞いだったんです。
舞いというと踊り、つまりダンスなんですが、
「てんてこ舞い」というと、踊りの名前ではなくて、
忙しい状態を表現するときの言葉です。
例えば、
「ランチタイムのレストランは
お客さんが多くて店員はてんてこ舞いだ!」とか、
「先週はJLPTの試験と仕事のプレゼンが重なって、
てんてこ舞いだった。」のように、使います。
「休む暇なく、とても忙しく動き回る様子」を表す言葉なんですが、
そもそも「てんてこ」って何?って思いませんか。
少し調べたところ、
てんてこ舞いの語源はいくつかの説があるそうです。
その中のひとつを紹介すると、
お祭りや行事で神様のために、
演奏するときに使う小太鼓を叩く擬音が
「てんてこ」だそうです。
そしてその太鼓の音に合わせた踊りが、
あわただしい動きだったことから、
「忙しい状態」を「てんてこ舞い」と
表現するようになったということでした。
てんてこ舞いとよく似た言葉で「きりきり舞い」という言葉もあります。
「きりきり」は糸や紐をきつく巻きつけたり、
物がはやく回転する様子を表す擬態語です。
「きりきり舞い」の意味は、二つあって、
「ちゃんと対処ができないほど、
やるべきことがたくさんあって、忙しく動き回っていること。」
二つ目の意味は、
「予想していなかった事や、
経験したことがないことに、慌てること。」です。
「てんてこ舞い」も「きりきり舞い」も
どちらも「忙しい様子」に使うことができますけど、
私が「きりきり舞い」を使うときは、
ただ忙しい時だけじゃなくて「対処できない!」とか
精神的にも困ってる時に使っている気がします。
例えば「書類提出の締め切りまであと数時間なのに、
大きな間違いが見つかってきりきり舞いだ」
「突然仕事を失って、生活がきりきり舞いだ」のような感じです。
みなさんは、最近忙しいですか。
てんてこ舞い、きりきり舞いの状態を経験しましたか。
世のなかには色々な踊りがありますけど、
できれば「てんてこ舞い」の状態にはなりたくないですね。
それでは、今日も最後まで聞いてくださってありがとうございました。
また次回も聞いてくださるとうれしいです。
それでは、また。
コメント